右回りクラブの倒し方/切り返し/反作用スイング

2024/08/18
「切り返しでクラブを寝かせましょう(倒しましょう)」という指導が多いようです。

それはそれでいいのですが、どうやって寝かせますか?
多くの人は、手首?腕、いや身体で寝かせる、ということを試みて、ゆっくりやればできるけど、いざ本番では寝かせられない、という事態に陥り、やっぱり切り返しでクラブを寝かせるのって無理なんじゃね?と考えてしまいます。

クラブを寝かせるための、腕の動きはわかりますね。

動きには、必ず反作用、力が逆にかかる部分が必要です。

この場合、身体は、腕と反対方向に動かします。
それで、腕が、クラブが寝ていきます。インサイドから入ってきます。

腕はいったん下がりますね(下げようとしますね)。だから身体の力の方向は上がる方向です。
腕は、右回りに回りますね(右回りで回そうとしますね)。だから身体の力の方向は、左回りです。上がりながら左回りの力の方向です。

ここで気を付けるのは、身体の力の方向は、あくまでも「力の方向」であり、動きではないということです。
その身体の反作用の力がないと、クラブは寝て、右回りにならないのです。
身体については、反対向きの「力の方向」だけなので、身体は止まって、でも腕、クラブは右回りで降りてきます。

映像でみると身体は一瞬とまって、腕がきれに降りてくるので、腕の動きだけを再現しがちですが、大切なのは、見た目止まっている身体が、腕と反対方向の力が入っているかどうかなのです。

運動音痴は、この反作用の力の入れ方がわからんのですよ。
運動音痴の五大要素 動かしたい方向と力の入れ方の方向の違いがわからない

誰だよ、トップから自然に腕が落ちるとか言っているヤツは。自然に降りてこないよ。腕を真下に降ろすなら、身体は上方向の力をかけないとダメなんだよ。運動神経がいい人は、それが無意識にできるから、「自然に」としか説明できないんだよ。

バックスイングは左側屈だけじゃないんだよ。右側屈もあるんだよ/側屈の誤解

2024/08/18
ゴルフスイングではよく、側屈の重要性が言われます。

バックスイングでは、左の側屈。
ダウンスイングでは、右の側屈。

【ここからは、前倒し系スイングの話】

実際は下記が正しい。

バックススイングでは、腰椎は左側屈。胸椎は右側屈。
ダウンスイングでは、その逆。

※胸椎の右側屈と、右肩甲骨の下方回旋(左肩甲骨の上方回旋)とは異なります。

すなわち、バックスイングでは、右と左の側屈の両方が入るのです。胴体の低いほうは、左。高い方(胸のあたり)は、右。
どちらの感覚を優先するかで、表現が異なってきます。
左側を意識するのであれば、腰~胸は狭くなり、胸~首は広くなります。

切り返し後は、胸椎は左側屈方向へ動くので、これを意識すると、あたかもクラブをかぶせるような感覚になります。これは手や腕で被せることとは異なります。しかし、この左側の胸椎を広がっている状態から、思いっきり狭くする(胸椎左側屈)動きは力を入れやすく、力強いスイングとなります。

そして、この胸椎の左側屈、腰椎の右側屈でもってダウンスイングすると、腰椎・胸椎の回旋動作が自動で入ります(カップリングモーション)。(=自動で脊椎が回旋しないと身体が壊れますので、自動で回旋する)。自然と身体が回った感覚となると思います。なので、上からたたきつけているけれど、身体(脊柱)もしっかり回るので、ダフりもせずインパクトできます。

下記の参考サイトに記載がありますが、脊柱が伸展*1しているか、屈曲*2しているかによって、カップリングモーションの動きが反対になるのがおもしろいです。

スタンス・姿勢によっても、適切な側屈タイプが異なるとみるか、適切な側屈を利用してスイングするのであれば、自ずと適切なスタンス・姿勢が決まってくる、とみるかは人によって解釈が違うでしょう。

このことは、この記事執筆時点(2024/8/13)で、インターネット検索しても、ゴルフ指導者の関連動画としては、言及しているサイト、動画は、下記のリョウカスイングゴルフさん以外はありませんでした(ただし部分的な言及のみです。)。

リョウカスイングゴルフ ローリーマキロイ選手のような沈み込みスイングができないのは本質を知らないからです

しかし理学療法士さんが、身体の動きを解説しているサイトには、たくさん記載があります。
下記が参考になるでしょう。
ただし、カップリングモーションは解明されていない面もあり、一部のサイトだけを盲信しないほうがよいでしょう。

ねじりで身体の連動を作ろう
コメントにもヒントがあります。

脊柱のカップリングモーションとは?

有料note
脊柱のカップリングモーションを運動療法に活かすコツについて!

Youtube
【今さら聞けない胸腰椎③】カップリングモーションについて(胸腰椎の関節運動学)[スキマ時間で学ぶ理学療法]

【スポーツ動作に多い『体幹の回旋』を紐解く】

体幹の捻りは腰じゃない!動きを解説してみた-Ryosuke Ito

*1 : 背筋を反っている

*2 : 猫背気味

運動音痴の五大要素

2024/08/15

運動音痴とは何か

運動音痴の正確な定義はないようです。

少なくともゴルフ運動音痴かどうかは、経験から、小学校高学年~高校生時代に球技をしていたか、によって異なると思います。
私は、球技どころか運動と無縁だったので、ゴルフにはとても苦労しました。

さて、私の考える運動音痴は、①力の方向がわからない、②力のいれどころがわからない、③代償動作を本動作と勘違いしている、④空間把握能力が欠如している、⑤言葉で理解しようとする、という点かと考えています。

①動かしたい方向と力の入れ方の方向の違いがわからない

運動音痴は、実現したい動きと、実際の力の入れ方がわかりません。
運動は、必ず作用と反作用があり、身体のある部分をある方向に動かそうとすると、別のある部分で、反対方法に動かす意識が必要となりますが、運動音痴にはこれがわからず、混乱します。

クラブを右回しにするには、身体は左回しの力をいれる必要があることが運動音痴にはわかりません。

②力のいれどころがわからない

左側屈は上半身を左に倒すこと、という言葉をきいて、左脇腹に力をいれてしまうのが運動音痴です。あるいは、単に上半身を左に曲げるだけの動作をしてしまうのが運動音痴です。

ゴルフスイングに必要な左側屈になるには(正しくは腰椎の左側屈になるには)、左側屈になるように、究極的には全身、局所的には左脇腹と反対側の右脇腹の、さらに周辺の筋肉、及び、骨格の位置が大事なのであって、左脇腹だけではないのです。しかし、人間の身体動作は複雑で、この左側屈ひとつとっても、真に正しい動きは解明されていないし、個々に、「この筋肉にどのくらいの力を入れて」とかの指導も不可能ですし、無意味です。

運動音痴は、右手左手のテコ、と聞いて、右手首・左手首(あるいは掌)の力をいれることで、クラブをテコのように使おうとします。実際には、肘やその他の筋肉、姿勢、重心管理まで含めて、テコのように使う必要があるにもかかわらず。

③代償動作と本動作の勘違い

人間の身体はよくできていて、ある動作をしようと思った時に、複数の力のいれ加減を選択できます。
例えば、手を上げる動作ひとつにしても、複数の方法があります。
これは、ケガをしても、他の筋肉を使って、同じ動作を実現させることで、生活(サバイブ)ができるようにということだと思いますが、神様はよく考えたものだと思います。

代償動作
理学療法における代償運動の捉え方─抑制と活用の観点からより
代償運動とは,機能障害が存在するため本来の動作や運動ができず,代わりの機能や方法を用いてその動作や運動を遂行しようとすることです.
医療法人 矢尾板記念会ホームページより
代償動作とは、ある動作が困難なとき、別の動作あるいは他の筋肉で補う動作のことをいいます。運動の場面では、トレーニングをしようとしている筋肉ではなく違う筋肉を使ってトレーニングをしてしまっているということになります。
具体的には、手を前から上げる際に腰が反ってしまうことや、右手を横から上げる際に上げている手とは反対方向の左側に体を倒してしまうことが挙げられます。これは、肩関節の動きの固さを体の動きで代償していることになります。
この代償動作ばかりを使っていると不具合が起きます。

見たで同じように動かしていても、本来の役割と異なる筋肉を使って動かしているとその筋肉が過負荷となり、故障の原因となります。
本人は代償動作で身体を動かしているとは気がついていないので、ビデオで動きを確認しても原因がわかりません。
動きに違いがでてくるとしても、意識している部分ではなく、別のところの異常な動きを検出するので、それを矯正しようとします。しかし、本来は、修正したい(習得したい)動きの代償動作を矯正しないといけないのに、それをそのままにして、別に現れた異常動作を修正しようとすれば、それがつぎはぎパッチであり、うまくいかないのは自明であるとわかります。
すなわち、間違った動きに間違った動きをプラスマイナスで足せば、一見正常なスイング動作にみえますが、再現性、飛距離、コントロール性に劣り、ケガの可能性を高めます。

楽しくゴルフをするためには、身体の動きが健康的である必要があり、仮に過去のケガ等で、一般と異なる身体の動かし方をしている人は、それを十分に理解して、ゴルフスイングを習得する必要があるのです。

④空間把握能力を習得していない

ゴルフはボールが止まっているから空間把握能力の必要性は低いのではないか。と思うかも知れません。

きちんとスタンスを構え、道具を使うのに、空間把握能力が必要なのです。

目標に向かってきちんと構え、クラブがどう動いているを直感的に把握することが必要です。

⑤身体に覚え込ませる前に、言葉で理解しようとする

(②とかぶる部分はあります。)

歩く動作、筋肉の動かし方を言葉で説明してください。自転車の乗り方、動作、筋肉の動かし方を言葉で説明してください。
ボールの投げ方、受け方の動作、筋肉の動かし方を言葉で説明してください。

と言われても説明できないですよね。同じように

ゴルフスイングの動作、筋肉の動かし方を言葉で説明してください。

と言われてもできないのです。

言葉ではできないことを前提に、ゴルフスイングを習得する必要があるのです。

本サイトでも言葉でもってゴルフスイングを説明しようとするのは無謀なのです。しかし、何かのヒントになればと思って開設しています。

運動音痴のまま成人すると、言葉でしか運動を理解できなくなります。その点で、言葉で理解しようとすること自体はどうしようもないのです。大事なことは、本質的には言葉では理解できないものを習得しようとしているのだ、ということを理解することなのです。

タメと沈み込みとバンプ

2024/08/14
切り返しから、腰を飛球線前方に動かす動作をバンプと言われ、昔のスイングと言われます。
沈み込み、スクワットは、地面反力を使う打ち方として、イマドキのスイングと言われます。
でも、身体の動かし方の基本は同じであり、力の向きが異なるだけです。


バンプ、スクワットは、下記のトレーニング方法が参考になります。
ちゃごるTV【初公開】いずれゴルフレッスン界の常識になります。誰でも簡単にタメを作れる方法とは

ちゃごるさんが紹介している方法の力の向きは、トップ付近でのグリップ方向(ほぼ垂直)であり、スクワット型です。
この力の向きを飛球線後方に向けたのが、バンプ型です。

バンプは、スウェイと混同されがちなので、敬遠されたのだと思いますが、飛球線後方の力の向きは、飛球線と対角なので、体感として力の方向に迷いがなく、ボールへのヒットもしやすいと思います。

ほぼ垂直の力の向きとなるスクワット型のほうが総合的には力を入れやすい可能性がありますが、飛球線と力の向きが直角なので、一歩間違えると、バンプ型と比べればトップ・ダフりが出やすく、アンジュレーションのあるコースではミートの安定感に欠ける要素があるように思います。

タイプと段階

2024/08/13
人の理解の仕方、ゴルフのスイングは、人によって、適切な型(タイプ)があります。

だから、自分と異なるタイプのスイングビデオをみても、自分の型に合った指導ができないコーチにいくら教わっても、貴方が上達することはありません。

そして、適したタイプがあったとしても、そこには重要性の習得の段階があり、段階を飛ばして練習しても、上達することはありません。

ボールを投げたことがない人に向かって、いきなりナックルボールの投げ方を教えても無意味ですよね。

世の中には、いろんな型が指導できるコーチがいればいるかも知れませんが少数でしょう。
コーチは、一定の幅はあれど、自らの信念に基づくコーチングからはみ出ることはありません。

だから自分でつかみ取っていくしかないのです。

このサイトがその一助になればいいなと思っています。